解決事例

【解決事例】内定取消しについて紛争に発展せず、解決できた事例

相談内容(相談前の状況)

 応募者面接を経て、内定通知を行った。ただ、実際の採用開始までに、応募者との間でコミュニケーションを行う中で問題発言があったため、採用できないという結論に至った。ただ、内定を取消すと、トラブルになる可能性もあるが、その対応方法がわからない。

対応内容

 内定取消しのリスクと実際に採用した場合に生じるリスクを具体的に検討した上で、内定を取消した方が会社・事業へのリスクが低いと判断し、応募者への説明方法を丁寧に検討し、応募者に採用できないことを伝えた。

対応後の状況

①応募者の納得を経て、内定を取消したため、具体的な紛争・訴訟を回避できた。

②内定取消しに際して、応募者にも問題発言があったことを理解してもらい、金員を支払うことがなく、無事に解決できた。

③ハローワーク経由の応募であったものの、ハローワークとの間でも、特にトラブルなく、解決できた。

④採用プロセスや応募プロセスの見直しを行うきっかけとなった。

担当弁護士からコメント

 実際に採用を開始する前(内定取消し)でも、応募者との間で、紛争・訴訟に発展することがあります。そのため、内定を取消すとしても、合理的な理由があるのか、会社側にも問題がないのか検討する必要があります。安易な内定取消しを行う場合、損害賠償を請求されるリスクを理解しておく必要があります。

 内定を取消すことによって、紛争・訴訟のリスクもありますが、実際に採用してしまうと、解雇や退職が容易にできず、さらに深刻な事態を招いてしまうこともあります。そのため、採用開始前でも、問題社員の傾向があったり、顕在化している場合、やむを得ず、内定取消しの判断が必要となる場合もあります。その場合でも、紛争・訴訟に発展しないように冷静に対応する必要があります。

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