私は、株式会社を経営していますが、コロナ過による影響で売上が大幅に減少し、経営に疲れてしまい、破産手続を利用したいと考えています。破産手続を利用すると、破産管財人が選任されると聞きましたが、破産管財人の役割を教えてください。
破産管財人は、公平・中立な立場で破産者の財産を調査したり、財産の換価・配当を行うとともに、免責不許可事由の調査を行います。
1. 管財事件
破産手続では、管財人が選任される場合 (管財事件) と管財人が選任されない場合 (同時廃止) がありますが、法人破産では、原則として破産管財人が選任されます。
「破産管財人」は、破産手続における中心的な役割を担い、公平・中立的な立場で、破産者の財産の調査・管理・処分や債権者への配当、免責不許可事由の調査等を行います。
管財人の業務内容は、以下のとおりです。
2. 破産管財人の業務内容
①財産の調査
破産管財人は、申立人の提出した申立書に記載されている財産状況が正しいか、隠した財産がないかなどを調査します。
この調査について、破産者は協力しなければならず、破産者はきちんと説明しなければいけません。虚偽の説明をすれば、免責が認められない等の不利益を受ける可能性があります。
②財産の換価・配当
破産管財人は、破産申立人の財産を現金に換え、債権者の債権額に応じて分配します。換価対象となる財産は、
- 預貯金、定期預金
- 自動車
- 保険 (生命保険、火災保険、自動車保険等)
- 積立金
- 賃借保証金・貸金
- 貸付金・求償金
- 不動産 (土地・建物)
等が挙げられます。
また、99万円を超えない現金や残高が20万円を超えない預貯金、家財道具などは換価対象とはなりません。これを自由財産といいます。
③免責許可の調査
破産管財人は、破産に至った経緯・原因について調査し、免責不許可事由があるかどうかを調査します。免責不許可事由がなければ、免責が認められることになります。
免責不許可事由がある場合には、裁量免責が相当かどうか検討します。
④債権者集会
破産管財人は、財産の調査状況や、破産に至った事情、配当の可能性等を報告する債権者集会に出席します。この債権者集会には、裁判官や破産管財人とともに、債権者、破産者及び申立人代理人 (弁護士) も出席します。
1回の債権者集会で終了することもありますが、管財人の業務が終了しない場合、2回目以降の債権者集会が開催されることもあります。
3. ポイント
- 破産手続では、管財人が選任される場合 (管財事件) と管財人が選任されない場合 (同時廃止) があり、法人破産の場合、原則として管財人が選任されます。
- 破産管財人は、破産手続における中心的な役割を担い、公平・中立的な立場で行います。
- 破産管財人の主な業務は、破産者の財産の調査・管理・処分、債権者への配当や免責不許可事由の調査等です。
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