法律コラム

Q&A<法人破産・事業再生>知っておくべき破産管財人の役割・業務について、弁護士が解説します。

2022.10.19

私は、株式会社を経営していますが、コロナ過による影響で売上が大幅に減少し、経営に疲れてしまい、破産手続を利用したいと考えています。破産手続を利用すると、破産管財人が選任されると聞きましたが、破産管財人の役割を教えてください。

破産管財人は、公平・中立な立場で破産者の財産を調査したり、財産の換価・配当を行うとともに、免責不許可事由の調査を行います。

1. 管財事件

 破産手続では、管財人が選任される場合 (管財事件) と管財人が選任されない場合 (同時廃止) がありますが、法人破産では、原則として破産管財人が選任されます。

 「破産管財人」は、破産手続における中心的な役割を担い、公平・中立的な立場で、破産者の財産の調査・管理・処分や債権者への配当、免責不許可事由の調査等を行います。

 管財人の業務内容は、以下のとおりです。

2. 破産管財人の業務内容

①財産の調査

 破産管財人は、申立人の提出した申立書に記載されている財産状況が正しいか、隠した財産がないかなどを調査します。

 この調査について、破産者は協力しなければならず、破産者はきちんと説明しなければいけません。虚偽の説明をすれば、免責が認められない等の不利益を受ける可能性があります。

②財産の換価・配当

 破産管財人は、破産申立人の財産を現金に換え、債権者の債権額に応じて分配します。換価対象となる財産は、

  • 預貯金、定期預金
  • 自動車
  • 保険 (生命保険、火災保険、自動車保険等)
  • 積立金
  • 賃借保証金・貸金
  • 貸付金・求償金
  • 不動産 (土地・建物)

等が挙げられます。

 また、99万円を超えない現金や残高が20万円を超えない預貯金、家財道具などは換価対象とはなりません。これを自由財産といいます。

③免責許可の調査

 破産管財人は、破産に至った経緯・原因について調査し、免責不許可事由があるかどうかを調査します。免責不許可事由がなければ、免責が認められることになります。

 免責不許可事由がある場合には、裁量免責が相当かどうか検討します。

④債権者集会

 破産管財人は、財産の調査状況や、破産に至った事情、配当の可能性等を報告する債権者集会に出席します。この債権者集会には、裁判官や破産管財人とともに、債権者、破産者及び申立人代理人 (弁護士) も出席します。

 1回の債権者集会で終了することもありますが、管財人の業務が終了しない場合、2回目以降の債権者集会が開催されることもあります。

3. ポイント

  1. 破産手続では、管財人が選任される場合 (管財事件) と管財人が選任されない場合 (同時廃止) があり、法人破産の場合、原則として管財人が選任されます。
  2. 破産管財人は、破産手続における中心的な役割を担い、公平・中立的な立場で行います。
  3. 破産管財人の主な業務は、破産者の財産の調査・管理・処分、債権者への配当や免責不許可事由の調査等です。

4. 弁護士法人かける法律事務所 (”KLPC”) のサービスのご案内

 弁護士法人かける法律事務所 (”KLPC”) では、法人においては「破産・事業再生」、個人においては「破産・個人再生」のサービスを提供しています。

 破産手続に関して、「破産した方がよいのか」「破産手続とは何か」「破産手続をするとどうなるのか」「どれくらいの費用がかかるのか」「破産管財人が選任されるのか」等と言ったご不安や疑問に対して、法的な観点からアドバイスいたします。

 また、お客様の立場にたって、お客様の意向が最大限反映されるように、破産管財人と協議します。

 当事務所では、「安心を提供し、お客様の満足度を向上させる」という行動指針 (コアバリュー) に従い、各サービスを提供していますので、是非、お問合せください。